塩って聞くと、
「海の水から塩を作る」
「岩塩から塩を作る」と大きく2つにわけることができます。
では、海の水はなぜ塩辛いのでしょう。
〇海の水はなぜ塩辛い?
民話でよく聞くのが、
海の底に石臼があって、その石臼はずっと休むことなく塩を吹き出していて、
誰もその石臼を止めることができないんです~というもの。
山形のお話に「塩吹き臼」というのがあります。
http://minwa.fujipan.co.jp/area/yamagata_014/
この石臼がずっと塩を出し続けているというお話。
あながち嘘じゃなくって、
海嶺(地殻の裂け目のあるところ)から噴出される熱水や、
海溝の冷湧水から塩をはじめとする色々なミネラルが噴出しています。
また、
降った雨に地上の岩石が風化され、
溶かし出されたミネラルは海水に蓄積されてきました。
だから、海の水はたくさんのミネラルを含んでいて、塩辛いのです。
宙の塩ができつつあります。
塩田の水を救い上げると結晶が!!
現在の分析は・・・
海水は、96.6%ほどの水と約3.4%の塩分で構成されています。
つまり1リットルの海水には、34gほどの塩が含まれているということになります。
この塩の成分をさらに分類すると、
食塩と呼ばれる塩化ナトリウム(NaCl)が77.9%となっています。
そのほか、
塩化マグネシウム(MgCl2)が9.6%、
硫酸マグネシウム(MgSO4)6.1%、
硫酸カルシウム(CaSO4)4.0%、
塩化カリウム(KCl)2.1%、
その他0.3%となっています。
ところで、
よく「海水の塩分比率は生物の体液と近い」と言われていますが、
生体の塩分濃度は約0.9%(生理食塩水も同じですね)で、
海水の約3.4%に比べるとはるかに低くなっています。
ただし、
海水の塩分濃度は、
地球の長い歴史のなかで少しずつ濃度をあげて来ていて、
原始海水は現在の海水よりもカリウム濃度が高かったのです。
このため生体の細胞質基質の電解質組成は、
地球に生命が誕生した当時の海水に近いと考えられています。
また、
細胞外液の組成は、
浸透圧が低くナトリウムの比率が高くなっていて、
これは生命が海から陸上に上がっていった時代の海水に近いと言われています。
つまり
現在の海水の塩分比率は、生物の体液の塩分比率とは違っていますが、
生物の細胞質基質や細胞外液(リンパ液)などは、
太古の海水の組成を今に伝えているともいえますね。
羊水が古代海水と同じ塩分濃度であることも納得できます。
海水に含まれるのは、塩辛い成分だけではありません!
海には地上に存在するすべての物質が溶けて海に流れ込むことから、
海水には地球上に存在するすべての元素が含まれていると考えられます。
海水がとても豊かで、あらゆる生命体の元になっているわけですよね~。
塩田の様子:
こうやってじっくりと天日で海水の水分を蒸発させています。